アパートの鍵貸します(The Apartment)は1960年の米国映画。ミリッシュ・コーポレーション製作、ユナイテッド・アーティスツ配給。
無惨なほど奴隷のようにこき使われ、上司のご機嫌を取るために自分のアパートを情事の場に提供するあるサラリーマンの顛末を描いたユーモアとペーソス溢れるコメディである。
ウールのコートを着ているフランが様々なシーンで出てくるが、実はビリー・ワイルダーの妻オードリー・ヤングの姿である。
「シェルドレイク」という役名は、ワイルダー作品の『サンセット大通り』(1950)、『地獄の英雄』(1951)、『ねえ!キスしてよ』(1964)にも出てきている。
シャーリー・マクレーンには最初の40ページの脚本しか渡されなかった。なぜならワイルダーは彼女にいかに話が展開するのかを教えたくなかったためである。彼女はまだ脚本が完成していない、とてっきり勘違いをしていた。
バクスターは雨の中セントラル・パークで眠るのだが、ワイルダーは彼が凍えないように温かい雨を降らせた。
劇作家のニール・サイモンは映画の脚本を元に、ミュージカル"Promises, Promises"を出版した。
アドルフ・ドイッチェだけが音楽関係でクレジットされているが、「アパートの鍵貸します」のテーマは、すでに作曲されていた。この曲は英国映画やBBCのラジオ・ドラマで知られている英国の作曲家チャールズ・ウィリアムズの1949年の"Jealous Lover"である。
シャーリー・マクレーン本人のウェブ・サイトによると、撮影のほとんどが脚本通りであった。ジンラミー(トランプの遊び方のひとつ)は、彼女の友人たちであるラット・パック(フランク・シナトラを中心にした遊び人仲間)に方法を教えてもらったのを付け加えた。同じく彼女は昼食時間の間に、愛についての思索をし始め、それも脚本に加えてもらった。
オフィスでのクリスマス・パーティのシーンは1959年12月23日に撮影された。ビリー・ワイルダーは、ほとんどすべてを1テークで撮り終えた。ワイルダーは「いつもこんな風に簡単に撮れればいいけれど。今日は「アクション」と「下がって」だけで済んだ。」と感想を述べた。
本作品は特に以前のアカデミー作品賞を参考にした作品である。まず、バクスターは『グランド・ホテル』(1932)をテレビで見ようとするが、コマーシャルのためにだいぶ遅れてしまう。バクスターの上司も、バクスターとフランがバクスターのアパートで「失われた週末」になってしまったことを触れている。これはビリー・ワイルダーの以前のオスカー作品『失われた週末』(1945)を参考にしているのである。
本作品は『シンドラーのリスト』(1993)が出てくるまで、アカデミー作品賞をもらった最後の白黒映画である。
フラン(シャーリー・マクレーン)はバクスター(ジャック・レモン)が彼女の義兄に殴られて本当に驚いているが、ビリー・ワイルダーは撮影時に2つに分けてお互いに2回ずつ殴らせて、4回撮影した。
C.C.バクスターのC.C.はカルヴィン・クリフォードの略である。
監督 ビリー・ワイルダー
製作 ビリー・ワイルダー I・A・L・ダイアモンド
脚本 ビリー・ワイルダー I・A・L・ダイアモンド
出演者 ジャック・レモン シャーリー・マクレーン フレッド・マクマレイ
音楽 アドルフ・ドイッチェ
撮影 ジョセフ・ラシェル
編集 ダニエル・マンデル
配給 ユナイテッド・アーティスツ
公開 1960年6月15日 ニューヨーク
上映時間 120分
製作国 アメリカ合衆国
言語 英語
制作費 300万ドル(当時)
興行収入 930万ドル(米国内)

